安全性試験について

安全性試験とは

安全性試験とは、原料や製品がヒト(環境)に対して与える影響を検証するための試験です。

農薬では、各国への申請・登録に関わる規制に対応したin vivo/in vitro試験を実施しております。
化学品では、各国申請・GHS分類、SDS作成、REACH登録などにご活用いただける安全性試験評価を実施しております。

必要な安全性試験項目ならびにデザインを選択するために

農薬・化学品の場合、各国への申請・登録制度において、それぞれ必要な安全性項目が決められており、どの試験項目が必要か、どのような試験デザインで実施すれば良いかなど、その判断が容易ではありません。
私たちは国内外の信頼できる試験機関とのネットワークを活かし、お客様の製品開発をトータルサポートいたします。規格試験や栄養成分分析から、機能性・安全性評価まで、開発目的に応じた試験の選定、GLPに準拠した試験機関のご紹介、試験結果の解釈まで、製品化に向けた最適な評価戦略をご提案いたします。

試験の種類

農薬原体・農薬製剤・化学物質などが人や環境に暴露される際の安全性を検証するための試験です。

種類 主な試験内容 特徴・目的
in vivo 一般毒性試験(単回、反復)
特殊毒性試験
(局所刺激、皮膚感作等)
遺伝毒性試験
生殖発生毒性試験
環境毒性試験
人や環境に暴露される際の安全性を検証する試験。
in vitro 特殊毒性試験
(局所刺激、皮膚感作等)
遺伝毒性試験
人に暴露される際の安全性を検証する試験。
物理化学的性状試験 安定性、分解性など。 サンプルの性状を検証する試験。

農薬の安全性試験(農薬原体・農薬製剤)

農薬原体、農薬製剤の登録には、それぞれ定められた安全性試験データが必要です。

種類 主な試験内容 特徴・目的
急性毒性試験
(経口・経皮・吸入)
半数致死量(LD50)を求める試験。 農薬原体、農薬製剤
反復毒性試験
(経口・経皮・吸入)
被験物質を反復的に投与して、無毒性量(NOAEL)を求める試験。 農薬原体
眼刺激性試験 ヒトが被験物質を粘膜に適用、あるいは誤って眼に入れた場合に生じる結膜、虹彩及び角膜に対する傷害を予測するために実施する試験。 農薬原体
皮膚刺激性試験 皮膚に接触した場合を想定して、刺激性の有無あるいはその程度を調べる試験。 農薬原体
皮膚感作性試験 化学物質が皮膚に接した場合に皮膚アレルギーを誘発するリスクを評価する試験。 農薬原体、農薬製剤
神経毒性試験
(急性、反復)
神経系への影響を判断するための試験。 農薬原体
発がん性試験 サンプルを約2年間投与し、臓器の変化等によりその化学物質のがん原性を調べる試験。 農薬原体
繁殖毒性試験 化学物質の生殖毒性と発生毒性を調べる試験。 農薬原体
催奇形性試験 胎児に及ぼす影響を調べる試験。 農薬原体
遺伝毒性試験
(AMES/染色体/小核)
化学物質の発がん性や遺伝的障害を短期間で予測することができるスクリーニング試験。 農薬原体
環境毒性試験 環境中に放出された化学物質の生態系に及ぼす影響について評価する試験。 農薬原体、農薬製剤
成分組成に関する試験。 純度分析、5バッチ分析、ダイオキシン類分析、分析法バリデーション 農薬原体、農薬製剤
有効成分の評価試験 融点、沸点、密度、蒸気圧、外観(色調、形状)、臭気、スペクトル、水溶解度、有機溶媒への溶解度、n-オクタノール/水分配係数、加水分解性、水中光分解性、解離定数、熱安定性 農薬原体
農薬製剤の評価試験 外観(色調・形状)、粉末度、粒度、原液安定性、希釈液安定性又は水和性、水溶解性又は水溶性、懸垂性、密度、引火性、経時的安定性、その他試験(DL粉剤(平均粒子径等)、錠形等の製剤(大きさ、重量)、水溶性フィルム入り製剤(水溶解性)、フロアブル及びゾル(粘度)) 農薬原体

安衛法の届出試験

新規化学物質の年間製造/輸入量が100kgを超えて生産する場合に必要です。

種類 主な試験内容 特徴・目的
AMES試験 DNAに対する直接的な影響を評価する試験。 安衛法

化審法の届出試験

新規化学物質を製造・輸入する者(法人)は用途や年間の製造/輸入量、物性に応じて届出や申出が必要になります。

種類 主な試験内容 特徴・目的
AMES試験 DNAに対する直接的な影響を評価する試験。 化審法(通常新規(低分子))
染色体異常試験 増殖期のCHL/IUなどほ乳類の培養細胞、またはヒトリンパ球の染色体標本に被験物質を投与して染色体異常を調べる試験。 化審法(通常新規(低分子))
反復毒性試験 被験物質を反復的に投与して、無毒性量(NOAEL)を求める試験。 化審法(通常新規(低分子))
環境毒性試験 環境中に放出された化学物質の生態系に及ぼす影響について評価する試験。 化審法(通常新規(低分子))
分解度試験 化学物質の生分解性を評価する試験。 化審法(低生産量、通常新規(低分子))
濃縮度試験 水又は餌を介して魚に化学物質を一定期間暴露し、その化学物質がどの程度体内に蓄積されるのかを調べる試験。 化審法(低生産量、通常新規(低分子))
高分子フロースキーム試験 高分子化合物の安全性を簡易的に評価するために制定された試験で、分子量分布測定、安定性試験、溶解性試験の3つで構成されており、生分解性および濃縮性を簡易的に評価できる試験。 化審法(低懸念ポリマー、通常新規(高分子))

SDS作成(GHS分類)目的試験

SDS作成(GHS分類)目的での各種試験の対応が可能です。

種類 主な試験内容 特徴・目的
物理化学的性状試験 融点、沸点、密度、蒸気圧、水・有機溶媒溶解度、土壌吸着、解離定数、加水分解、分配係数、熱安定性、表面張力、粒度分布

SDS作成目的

物理化学的危険性試験 爆発性、引火点、酸化性、可燃性、自然発火温度、金属腐食性

SDS作成目的

環境有害性評価 藻類生長阻害試験、ミジンコ急性遊泳阻害試験、魚類急性毒性試験、ミジンコ繁殖試験、初期生活段階毒性試験、生分解性試験、生物蓄積性試験

SDS作成目的

健康有害性評価 急性毒性試験、皮膚腐食性/刺激性試験、眼損傷性/刺激性試験、皮膚感作性試験、生殖細胞変異原性試験 SDS作成目的

農薬・化学品の試験受託事例

  • 作物への効果や環境への影響など、農薬・化学品に求められる様々な性能評価を、専門的な試験方法を用いて実施します。製品の有効性と安全性を適切に評価することで、開発から製品化までの過程を効率的にサポートいたします。

    詳細を見る

試験依頼の流れ

試験依頼の4ステップを示すフロー図。「1. お問い合わせ・ご相談」「2. 試験計画の策定」「3. 試験実施」「4. 試験結果の報告」の順に進行。

よくあるご質問

Q 安全性試験は必ず実施しなければなりませんか?
A

製品の種類や市場展開の方針によって異なりますが、多くの場合、安全性試験の実施が推奨されます。

特に、化粧品、食品、医薬品、医薬部外品、化学品、生活用品などは、各国の規制やガイドラインに準拠するため、安全性データの取得が求められます。

製品の用途や販売地域に応じた適切な試験をご提案できますので、お気軽にご相談ください。

Q 動物実験をしない安全性試験にはどのようなものがありますか?
A

近年、動物実験を行わない代替試験のニーズが高まっています。

当社では、以下のようなin vitro(試験管内試験)やヒトパッチテストなど、動物を使用しない安全性評価試験に対応可能です。

ヒトパッチテスト(皮膚刺激性評価)
3D皮膚モデルを用いた皮膚刺激試験(OECD TG 439準拠)
3D眼粘膜モデルを用いた眼刺激試験
Ames試験(変異原性試験)
細胞毒性試験

動物実験の代替試験を希望される場合は、お客様の製品特性に合わせて最適な試験をご提案いたします。

Q 海外で販売する場合、どの安全性試験が必要ですか?
A

海外展開の際には、各国の規制に対応した安全性試験のデータが必要になります。

以下のような試験が一般的に求められます。

EU(REACH規制、化粧品規則):皮膚刺激試験、眼刺激試験、変異原性試験、急性経口毒性試験 など
アメリカ(FDA、CPSC):パッチテスト、経口毒性試験、光毒性試験、抗菌試験 など
中国(NMPA):動物実験代替試験(中国化粧品規制対応)
ASEAN諸国(ASEAN化粧品指令):皮膚感作性試験、眼刺激試験 など

販売国の規制に適合した試験設計が必要なため、事前にご相談いただければ適切な試験をご案内いたします。

試験受託事業に関するお問い合わせはこちら

開発した製品のエビデンスを取りたいけど、何から手を付けてよいかわからないなど、
お気軽にお問合せください。

試験受託事業について問い合わせる