安全性試験について
安全性試験とは
安全性試験とは、原料や製品がヒト(環境)に対して与える影響を検証するための試験です。
医療機器では、申請に関わる規制に対応したin vivo/in vitro試験を実施しております。
必要な安全性試験項目ならびにデザインを選択するために
医療機器の場合、申請において、医療機器分類と接触部位によって必要な安全性項目が決められており、どの試験項目が必要か、どのような試験デザインで実施すれば良いかなど、その判断が容易ではありません。
私たちは国内外の信頼できる試験機関とのネットワークを活かし、お客様の製品開発をトータルサポートいたします。
必要な試験の選定から、信頼性の高い試験機関の紹介、試験結果の解釈まで、開発段階に応じた最適な安全性評価の道筋をご提案いたします。お客様の大切な製品開発に関する試験について、まずはお気軽にご相談ください。専門スタッフが親身になってサポートいたします。
試験の種類
医療機器が人に暴露される際の安全性を検証するための試験です。
種類 | 主な試験内容 | 特徴・目的 |
---|---|---|
in vivo |
特殊毒性試験 (局所刺激、皮膚感作等) 全身毒性試験 発熱性試験 埋植試験 がん原性試験 遺伝毒性試験 生殖発生毒性試験 |
人に暴露される際の安全性を検証する試験。 |
in vitro |
細胞毒性試験 特殊毒性試験 (局所刺激、皮膚感作性等) 遺伝毒性試験 血液適合性試験 |
人に暴露される際の安全性を検証する試験。 |
物理化学的性状試験 | 安定性、分解性など。 | サンプルの性状を検証する試験。 |
医療機器の生物学的安全性評価試験
医療機器の申請には、医療機器分類と接触部位によって必要な安全性項目が決められております。
試験項目 | 内容 | 主な対象 |
---|---|---|
物理学的・化学的情報 | 医療機器や構成部材の物理学的・化学的知見を収集。 | 医療機器 |
細胞毒性 | ほ乳類培養細胞に医療機器からの溶出物や原材料を曝露した後に生じる細胞の様々な変化(細胞形態、コロニー数、細胞数などの変化) を指標として、細胞レベルで毒性を評価する試験。 | 医療機器 |
感作性 | 急性の免疫応答や誘発時のアレルギー「症状」を指標として、医療機器からの溶出物や原材料の感作性を予測評価する試験。 | 医療機器 |
刺激性/皮内反応 | 医療機器または化学物質等の被験物質が、生体各部の組織に対して組織傷害性、炎症誘起性あるいは刺激性を有するか否かを評価する試験。 | 医療機器 |
材料由来の発熱性 | 医療機器または原材料中に存在する発熱性物質の有無を調べる試験。 | 医療機器 |
全身毒性 |
医療機器またはその原材料が、生体に対して急性あるいは慢性の毒性作用を引き起こす可能性があるか否かを総合的に判断するための試験。 なお、被験物質の投与期間によって急性全身毒性試験 (1回投与)、亜急性全身毒性試験 (通常、14~28日間の反復投与)、亜慢性全身毒性試験 (通常、90日間の反復投与) および慢性全身毒性試験 (通常、6~12ヶ月間の反復投与) に分けられ、試験目的あるいは医療機器の使用条件等を考慮して実施する試験を選択します。 |
医療機器 |
埋植 | 生体内に埋植・留置される医療機器の局所的影響を肉眼的、組織学的に観察し評価する試験。 | 医療機器 |
血液適合性 | 血液に接触する医療機器または原材料の血液との相互作用(血液凝固や免疫反応など)の有無を評価する試験。 | 医療機器 |
遺伝毒性 | 発がん性や遺伝的障害を短期間で予測することができるスクリーニング試験。 | 医療機器 |
がん原性 | 約2年間投与し、臓器の変化等によりがん原性を調べる試験。 | 医療機器 |
その他の試験 | 生殖発生毒性試験、その他臓器特異的毒性試験、生分解性試験 | 医療機器 |
医療機器の試験受託事例
-
医療機器申請に伴う安全性試験や試験デザインの策定支援などの試験受託事例をご紹介。
製品の分類や接触部位に応じた試験項目の選定をサポートし、適切な試験機関との連携を通じて、スムーズなデータ取得をお手伝いします。
試験依頼の流れ

よくあるご質問
- Q 安全性試験は必ず実施しなければなりませんか?
-
A
製品の種類や市場展開の方針によって異なりますが、多くの場合、安全性試験の実施が推奨されます。
特に、化粧品、食品、医薬品、医薬部外品、化学品、生活用品などは、各国の規制やガイドラインに準拠するため、安全性データの取得が求められます。
製品の用途や販売地域に応じた適切な試験をご提案できますので、お気軽にご相談ください。
- Q 動物実験をしない安全性試験にはどのようなものがありますか?
-
A
近年、動物実験を行わない代替試験のニーズが高まっています。
当社では、以下のようなin vitro(試験管内試験)やヒトパッチテストなど、動物を使用しない安全性評価試験に対応可能です。
ヒトパッチテスト(皮膚刺激性評価)
3D皮膚モデルを用いた皮膚刺激試験(OECD TG 439準拠)
3D眼粘膜モデルを用いた眼刺激試験
Ames試験(変異原性試験)
細胞毒性試験動物実験の代替試験を希望される場合は、お客様の製品特性に合わせて最適な試験をご提案いたします。
- Q 海外で販売する場合、どの安全性試験が必要ですか?
-
A
海外展開の際には、各国の規制に対応した安全性試験のデータが必要になります。
以下のような試験が一般的に求められます。
EU(REACH規制、化粧品規則):皮膚刺激試験、眼刺激試験、変異原性試験、急性経口毒性試験 など
アメリカ(FDA、CPSC):パッチテスト、経口毒性試験、光毒性試験、抗菌試験 など
中国(NMPA):動物実験代替試験(中国化粧品規制対応)
ASEAN諸国(ASEAN化粧品指令):皮膚感作性試験、眼刺激試験 など販売国の規制に適合した試験設計が必要なため、事前にご相談いただければ適切な試験をご案内いたします。