安全性試験について
安全性試験とは
安全性試験とは、原料や製品がヒト(環境)に対して与える影響を検証するための試験です。
食品では、新しく開発される食品、食品添加物、特定保健用食品、機能性表示食品などに必要な試験を実施しております。
必要な安全性試験項目ならびにデザインを選択するために
食品の安全性試験において、目的(社内評価用データ、機能性表示食品の届出、特定保健用食品の申請など)により、必要となる評価項目や試験の要件が大きく異なります。そのため、製品開発の各段階で最適な試験を選定することが重要になります。
私たちは国内外の信頼できる試験機関とのネットワークを活かし、お客様の食品開発をトータルでサポートいたします。規格試験や栄養成分分析から、機能性・安全性評価まで、開発目的に応じた試験の選定、GLPに準拠した試験機関のご紹介、試験結果の解釈まで、製品化に向けた最適な評価戦略をご提案いたします。
試験の種類
食品・食品添加物などが人に暴露される際の安全性を検証するための試験です。
種類 | 主な試験内容 | 特徴・目的 |
---|---|---|
in vivo |
一般毒性試験 (単回、反復) 特殊毒性試験 (局所刺激、皮膚感作等) 遺伝毒性試験 生殖発生毒性試験 |
人に暴露される際の安全性を検証する試験。 |
in vitro |
特殊毒性試験 |
人に暴露される際の安全性を検証する試験。 |
成分分析 |
含有量など。 |
成分を検証する試験。 |
食品原料の安全性試験
企業責任のもと「食」の安全を担保するために実施する事が多い試験です。
試験項目 | 内容 | 主な対象 |
---|---|---|
急性毒性試験 (経口) |
半数致死量(LD50)を求める試験。 | 食品原料 |
反復毒性試験 (経口) |
被験物質を反復的に投与して、無毒性量(NOAEL)を求める試験。 |
食品原料 |
遺伝毒性試験 (AMES) |
DNAに対する直接的な影響を評価する試験。 |
食品原料 |
機能性表示食品の安全性試験
機能性表示食品に必要とされる安全性試験データです。
試験項目 | 内容 | 主な対象 |
---|---|---|
急性毒性試験 (経口) |
半数致死量(LD50)を求める試験。 | 機能性表示食品 |
反復毒性試験 (経口) |
被験物質を反復的に投与して、無毒性量(NOAEL)を求める試験。 | 機能性表示食品 |
遺伝毒性試験 (AMES) |
DNAに対する直接的な影響を評価する試験。 | 機能性表示食品 |
成分分析 | 含有量など。 | 機能性表示食品 |
SR作成・届出サポート | 機能性表示食品の届出に係る資料の作成。 | 機能性表示食品 |
特定保健用食品(トクホ)の安全性試験
特定保健用食品(トクホ)の申請には、定められた安全性試験データが必要です。(必要に応じて求められる項目があります。)
試験項目 | 内容 | 主な対象 |
---|---|---|
急性毒性試験 (経口) |
半数致死量(LD50)を求める試験。 | 特定保健用食品(トクホ) |
反復毒性試験 (経口) |
被験物質を反復的に投与して、 無毒性量(NOAEL)を求める試験。 |
特定保健用食品(トクホ) |
遺伝毒性試験 (AMES/染色体/小核など) |
化学物質の発がん性や遺伝的障害を 短期間で予測することができるスクリーニング試験。 |
特定保健用食品(トクホ) |
ヒト試験 |
当該食品又は関与成分を継続的又は 過剰に摂取した場合の安全性について評価する試験。 |
特定保健用食品(トクホ) |
必要に応じて 必要な試験 |
1年間反復毒性試験(経口)、抗原性試験、 アレルギー誘発性に関する試験、 繁殖試験、催奇形性試験、発がん性試験等。 |
特定保健用食品(トクホ) |
食品添加物の安全性試験
食品添加物の申請には、定められた安全性試験データが必要です。(必要に応じて求められる項目が変わります。)
試験項目 | 内容 | 主な対象 |
---|---|---|
体内動態試験 |
体内動態(吸収、分布、代謝及び排泄)を 推測する試験。 |
食品添加物 |
遺伝毒性試験 (遺伝子突然変異を指標とする試験、 染色体異常を指標とする試験、 DNA損傷を指標とする試験) |
がん原性や遺伝的障害を短期間で 予測することができるスクリーニング試験。 |
食品添加物 |
反復毒性試験 (経口) |
被験物質を反復的に投与して、 無毒性量(NOAEL)を求める試験。 |
食品添加物 |
発がん性試験 |
サンプルを約2年間投与し、 臓器の変化等により その化学物質のがん原性を調べる試験。 |
食品添加物 |
生殖毒性試験 | 生殖毒性を調べる試験。 | 食品添加物 |
発生毒性試験 | 発生毒性を調べる試験。 | 食品添加物 |
アレルゲン性試験 |
アレルギー誘発性を予測する方法が 十分に確立されていないため、 適切な組み合わせで評価する。 |
食品添加物 |
その他の試験 | 神経毒性試験 | 食品添加物 |
食品の試験受託事例
-
機能性表示食品やサプリメントの有効性を、ヒト試験や安全性試験を通じて科学的に実証します。
製品の機能性や安全性を裏付けるエビデンスを提供し、消費者の皆様に安心してお選びいただける製品開発をサポートいたします。
試験依頼の流れ

よくあるご質問
- Q 安全性試験は必ず実施しなければなりませんか?
-
A
製品の種類や市場展開の方針によって異なりますが、多くの場合、安全性試験の実施が推奨されます。
特に、化粧品、食品、医薬品、医薬部外品、化学品、生活用品などは、各国の規制やガイドラインに準拠するため、安全性データの取得が求められます。
製品の用途や販売地域に応じた適切な試験をご提案できますので、お気軽にご相談ください。
- Q 動物実験をしない安全性試験にはどのようなものがありますか?
-
A
近年、動物実験を行わない代替試験のニーズが高まっています。
当社では、以下のようなin vitro(試験管内試験)やヒトパッチテストなど、動物を使用しない安全性評価試験に対応可能です。
ヒトパッチテスト(皮膚刺激性評価)
3D皮膚モデルを用いた皮膚刺激試験(OECD TG 439準拠)
3D眼粘膜モデルを用いた眼刺激試験
Ames試験(変異原性試験)
細胞毒性試験動物実験の代替試験を希望される場合は、お客様の製品特性に合わせて最適な試験をご提案いたします。
- Q 海外で販売する場合、どの安全性試験が必要ですか?
-
A
海外展開の際には、各国の規制に対応した安全性試験のデータが必要になります。
以下のような試験が一般的に求められます。
EU(REACH規制、化粧品規則):皮膚刺激試験、眼刺激試験、変異原性試験、急性経口毒性試験 など
アメリカ(FDA、CPSC):パッチテスト、経口毒性試験、光毒性試験、抗菌試験 など
中国(NMPA):動物実験代替試験(中国化粧品規制対応)
ASEAN諸国(ASEAN化粧品指令):皮膚感作性試験、眼刺激試験 など販売国の規制に適合した試験設計が必要なため、事前にご相談いただければ適切な試験をご案内いたします。