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2008年のお知らせ

FRAGRANCE JOURNALに『原料メーカーにおける研究開発・・・』の記事が掲載されました

FRAGRANCE JOURNAL(2008/4)掲載

『原料メーカーにおける研究開発戦略と今後の展望』

岩瀬コスファ(株) 常務執行役員 諏訪 善親

・美と健康の価値
我が社は,1931年の創業以来,化粧品原料の販売を行い「美と健康」をテーマとして取り組んでいます。
もちろん,研究開発戦略と致しましても化粧品や医薬品,健康食品原料など「美と健康」に即した原料開発および企画提案のための応用研究に注力しています。
現在の高齢化社会では,ストレスなどによる「心の病」や「生きがい」が問題となる中で『化粧』の効用も取り上げられ,「美と健康」への探求が社会貢献に役立つものと考えています。

・処方・製剤提案型受託メーカーとしての方向性・可能性
時代と共に変化する価値観やニーズを反映して,化粧品も日々進化しています。我が社では単に化粧品素材の開発に留まらず,その安全性や機能性および化粧品に求められる効果効能を追求し,素材の特徴を活かした製剤化検討も行っています。国内市場や海外ネットワークからの情報を基にし,時代のニーズにマッチした製剤処方,さらに製品コンセプトの提案までを行う処方・製剤提案型ディーラーとしてお得意様が要望する製品開発を強力にサポートしていきます。

・原料開発における産学共同研究
我が社は,多くの原料メーカーと共同で新たな素材の応用研究に取り組んできました。最近では,大学や地方自治体などの研究機関が開発した原料には,従来の固定観念にとらわれない発想から作られたものが多く,非常に魅力的なものがあります。今後も原料メーカーとの共同開発を主としながら,大学あるいは地方自治体などの研究機関と情報交流を深め,産学官共同研究を積極的に推進して行き,お客様のニーズに沿った新しい原料の開発に努めてまいります。

・原料の有効性についての考え方・在り方
美白,シミ,シワ,紫外線防御,抗酸化,育毛・養毛などの有効性を標傍する原料の開発はますます盛んになっています。有効性原料の評価において,安全性を第一に考え,効果の確認や作用メカニズムの追求を行う必要があります。同時に有効性原料の物理的・化学的特性を考慮した剤型選択や新たな剤型の開発および併用成分による効果の差異や安定性などの検討も重要になってくると思います。

・原料の安全性についての考え方・在り方
現状,化粧品に配合する原料は,安全性について薬事法での規定はありませんが,配合量や使用用途の上で,安全性に問題ないことが最低条件です。我が社の取り扱い原料に関しては,基本的に安全性データを取得することをお願いしています。同時に,韓国「非臨床機関:バイオトクステック社」の日本代理店として,安全性試験のお手伝いをさせていただいています。今後は,EU化粧品指令の問題もあり,動物実験代替法の開発動向を注視しながら,原料メーカーと協力して安全な化粧品原料の提供に努めていきます。

・原料開発における特許問題
新しい原料を開発し,販売を行う上で特許の出願,取得および範囲が大きな問題となります。化粧品業界では,いわゆる物質特許(製造特許など)だけでなく,配合(応用)特許が出願されるケースが多々あり,配合特許が成立して使用が制限されて,開発原料の販売に支障をきたしています。
新規原料を開発するときには,お客様が安心して原料を使用いただけるように,まず化粧品への配合特許の有無および特許範囲を確認し,対応すべきと考えています。
我が社では,今後も新規開発原料が化粧品への使用制限されることがないように,特許出願への対応を積極的に行っていきます。

・法規制と原料開発
2001年に薬事法が改正されるまでは,化粧品種別許可基準に合敦していない化粧品原料については厚生労働大臣の許可が必要でしたが,それ以降,企業責任下で使用が原則自由になり,使用される原料の種類も増大しています。規格面だけでなく,安全性を念頭にした原料開発と提供を心掛けています。また,今年6月から予備登録が開始されるREACHには,今後の動向を注視して対応していきます。

・皮膚科学研究への取り組み
化粧品の開発には素材研究と製剤化研究と皮膚科学研究が相互に関連しています。現在は,シワやシミに影響を及ぼす肌の水分量を評価できる機器を用いて,保湿を中心とした各種素材の評価研究に取り組んでいます。今後は毛穴ケアを含めたトータルのエイジング現象への効果を評価できるような肌状態を評価できる機器類の導入を積極的に進め,素材研究のみならず,製剤化研究と併せて.より効果的な素材の用い方が提案できるような皮膚科学研究を目指していきます。

・原料開発への最先端化学の導入について
2001年の薬事法改正により,企業の自己責任において,様々な新たな素材が化粧品に配合されてきています。使用許可を必要としないことで,原料の用途幅が広がりました。我が社では,従来の有機化学,無機化学,油脂化学,界面化学,醗酵化学,高分子化学やバイオインダストリーなどのモノ作りにとらわれることなく,様々なフィールドで研究を行っている大学機関や異業種と連携し,感性工学や行動学分野にも視野を拡げ,それらの最先端の研究を融合して生まれた素材をお客様にご使用いただきたいと思っています。

・国内外の原料開発・販売について(マーケティングも含む)
我が社は,原料のソースを国内に留まらず,広く海外にもリサーチの目を向けています。
多くの原料開発は,グローバルな視点のもと,国内原料メーカーと協力して,お客様のニーズに即した「安心・安全」かつREACH規制にも準じた原料提供を目指して行っています。同時に,応用研究による処方提案,企画提案を行い,国内外への販売につなげています。海外に関しては,多くの展示会への出展,調査を行い,豊富な原料情報から原料開発に努めると共に,販売強化に結び付けていきます。

・新しいスキンケア原料の開発
「美と健康」をテーマとし,美白やシワに着目した皮膚の老化防止,光老化防止を目的とした紫外線防御を重要な課題として取り上げ,独自性があり有用性の高い新たなスキンケア原料の開発を原料メーカーや大学機関との共同研究で進めていきます。新原料の官能・機能特性については「使用性モニターによる実評価,機器測定による客観的評価そして皮膚科学研究により得られた最新の知見を融合させ,お客様に新たな価値を提供する処方化サンプルと共に新原料を提案していきます。

・新しいメイク原料の開発
女性を彩るメイク化粧品は,仕上がり感,テクスチャーなどのメイク効果だけでなく,肌とのなじみや保湿感が得られるスキンケア効果をもつようになってきました。我が社は,粉体の新たな表面処理方法や複合化技術の開発とともに,素材の組み合わせによる新たな付加価値などによる相乗効果を考慮して,お客様に満足いただける素材の開発および処方検討を行っていきます。

・新しいヘアケア原料の開発
ヘアケア製品は効果を容易に実感できる製剤が求められています。我が社は,毛髪のダメージを修復し,艶やかな髪に整える製剤に適した原料開発を行うとともに,近年の基礎研究成果を踏まえて効果がより実感できる原料の開発に努めていきます。また,ヘアメイクを目的としたヘアスタイリング剤,ヘアカラー製剤,パーマネント製剤などに「毛髪ケア」を付与できる原料の開発に注力していきます。

・新しいヘルスケア・サプリメントの原料の開発
昨今の健康食品は美容に関連したものが非常に多くなっています。我が社では,長年の化粧品原料販売の実績により,国内外から多くの原料情報が入ってきます。特に,海外には,昔からその地域で使用されている有効な原料など,日本には届いていない成分が沢山あり,化粧品としてだけでなくヘルスケアとしての効果を考えた原料を探索することに傾注すると共に,病院や大学機関などと組んでデータ作りをすることが今後のヘルスケア・サプリメント原料に重要と考えております。そして,今後,ますますコンプライアンス遵守を崩さず,お客様に満足いただける原料開発に努めます。

・原料ソースに対する考え方・方針:天然系か合成系か
現在では,天然系の原料が注目を集め需要も大きいと思われますが,合成原料は天然系に比べ高純度で安定した品質の原料提供が可能です。我が社は原料商社であり,お客様のニーズに応える原料を提供するのが最大の責務であると考えており,ユニークな原料ソースがあれば,天然系,合成系に関係なく,化粧品原料としての可能性を意欲的に探っていきます。

・エコロジーに対応した原料の開発の取り組み
社会と共生する企業を目指す上で大切なことは自然環境や人間に対する配慮と考えています。今後は環境問題の重要性から,我が社はISO14001の認証を取得しており,生分解性に優れた素材やゼロ・エミッションを目指して開発された素材など,環境に優しい原材料の提案を行うよう取り組んでいます。枯渇資源の保護からも,再生可能な植物や微生物由来の新原料の開発にも積極的に取り組んでいます。製品の安全性・機能性を確保しながらも,環境や人に優しい企業活動を目指しています。

FRAGRANCE JOURNAL(フレグランスジャーナル)(2008/4) 掲載

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